金型の基礎

金型とは

プラスチックの部品を形作るためには、その部品の形状をした””が必要です。イメージしやすいように、みなさんにも馴染みのある”たい焼き”で説明します。

魚の半分の形をした鉄板に生地を注ぎ、あんこを入れて、もう片側の鉄板の生地を被せて作るように、プラスチック成形も、部品の形をした鉄の塊に、溶けたプラスチックを注ぎ、形作る方法で部品を作ります。

 

たい焼きの場合は、溶けた生地と生地を合わせますが、プラスチック成形の場合は、鉄の塊を合わせた後に隙間に溶けたプラスチックを注ぎますが、材料を型取る方法としては、同じイメージです。

その中でも今回は、射出成形における金型について、構造や成形の工程についてをお伝えしたいと思います。

 

金型の構造

射出成形の場合、基本的に2つの金型で成り立っており、凹凸が合わさるように、凹側の金型、凸側の金型で部品を成形します。この時の凹側の金型を「キャビティ」、凸側の金型を「コア」と呼びます。溶けたプラスチックの材料は、このキャビティとコアの間(隙間)に注ぎ込まれ、キャビティ側の面と、反対側はコア側の面の形をした部品が作られます。

ものづくりにおいて、射出成形部品の設計の際は、その部品が製品組立後に外観に見える部分と、内側になる部分を意識して設計することが必要です。通常、キャビティ側を外観面、コア側を内側にすることが多いです

その理由としては、成形後に金型からプラスチック部品を外すときに、コア側に設置した「突き出しピン」と呼ばれるもので押し出され、金型から外されます。成形直後なので、まだ少し柔らかい状態であるため、押し出された時のピンの痕が残ってしまい、外観としてはあまりきれいな仕上がりではありません。そのため、コア側(突き出しピンがある側)を部品の内側にして設計します。

射出成形の工程としては、

①キャビティ側の金型とコア側の金型を締め付ける
②材料を注入する
③金型を冷却し、成形部品を冷やす
④金型を開き、成形部品を取り出す

の流れで、部品が形作られます。

出来上がった部品には、目的の部品以外に、「スプル」「ランナー」「ゲート」と呼ばれる部分が付いています。射出成形機から注がれた材料は、この「スプル」→「ランナー」→「ゲート」を通り、目的の部品のところに向かいます。

スプル

射出成形機から金型内部までの材料が流れ込む部分を「スプル」と言います。

ランナー

1個の金型で複数の部品を成形する場合に、スプルから流れ込んだ材料が分岐する部分を「ランナー」と言います。

ゲート

ランナーから成形部品となる部分に材料が注ぎ込まれる入り口部分を「ゲート」と言います。ゲートは、成形部品の大きさや形状によって、形はさまざまで、基本的には1個の成形部品に対してゲートは1つですが、複数ゲートを配置する場合もあります。

これらは、目的の部品を成形するための、材料の通り道であるため、最終的には部品とゲートの部分でカットされ廃棄されます。

部品を設計する際は、「部品のどの部分にゲートを配置するか」が重要になります。射出成形は材料が、部品の外観面となるキャビティ側から注入されるため、ゲートをカットした後も、痕跡は残ってしまいますので、なるべく目立たない位置や、製品組立後に隠れるよう配慮しなければなりません。

また、スプル、ランナー、ゲートの形状や、ゲートの位置によって、部品成形の仕上がりが左右されます。金型業者・成形業者の経験やノウハウによって、最適な形状・位置を決めることが多く、部品設計者は、その形状・位置で製品に影響がないかをチェックする必要があり、3社の意見を交わしながら、最適な金型を目指していきます。

 

いかがでしたでしょうか。金型の基礎についてご説明しましたが、これらは射出成形の部品を設計する際に必要となる知識です。基礎の部分ではありますが、正しく理解していないと、部品の品質不良にもつながるため、ものづくりにおいては非常に重要な内容です。
基礎的な内容なので、ぜひ覚えていただき、今後の部品設計にお役立ていただければと思います。