ゲートの種類

 前回ご紹介した射出成形品の「ゲート」ですが、様々な種類があり、役割や効果がことなります。ゲートの種類を決めるのは、部品設計者ではなく、金型業者や成形業者が決めることが多いですが、品質不良の少ない最適な部品を設計するためには、ゲートの種類や効果を理解しておくことも
設計者にとっても重量なことです。

今回はその中でも実践でよく使用されるゲートについてご説明いたします。

ゲートの種類

サイドゲート

名前のとおり、部品の側面に配置するゲートです。
特別な理由がない限り、一般的にはこのサイドゲートが使用されています。ゲートの断面形状にもノウハウが含まれており、部品の大きさや、金型設計者の経験によって決められます。ゲートカット後は外観面に痕跡が残るため、凸が残らないよう処理をしたり、部品組立後に見えにくい位置に配置します。知識を身につけておくことで、組立後までを考慮した設計ができるため、設計者にとってもゲートの知識は欠かせません。

フィルムゲート

薄板状の部品に最適なゲートです。
点ではなく幅広くゲートを設けるため、均等に材料を注入し圧力をかけることができ、歪みなどの成形不良を防止することができます。ゲートが幅広いため、ゲートカット処理には手間がかかりますが、部品組立後に見えにくい位置に配置することで、ゲートカットの手間を軽減することができますので、設計時点で考慮しておくことで、コストダウンにも繋がります。

ピンゲート

ランナーから成形部品にかけて断面形状を小さくしたゲートです。
ゲートカット後の痕跡が”点”状になるため、目立ちにくくなります。そのままの状態で外観の一部として残すこともありますが、ラベルを貼る面にピンゲートを配置する設計にすることで、製品組立後に隠すこともできます。金型が開くタイミングでゲートカットされるため、ゲート処理の工程を省略することができます。

サブマリンゲート

ゲートは通常キャビティ側に配置しますが、コア側に潜り込ませることで、外観面ではない位置にゲートを配置することができます
どうしても外観にゲートを配置したくない!という場合は、この方法が使われます。
方法としては、サブマリンゲート用の棒状の凸部分を成形部品に追加して、そこにピンゲートの形状でコア側に潜り込ませて成形します。ゲートカットはピンゲート部分で自動的にカットされますが、追加した棒状の凸は別工程でカットが必要です。

バナナゲート

サブマリンゲートと同様に、コア側に潜り込ませて外観面でない位置にゲートを配置する場合に使用されます。
違いは、サブマリンゲートの場合は棒状の凸を成形部品に追加しますが、バナナゲートの場合は不要で、そのかわりゲートを「湾曲」させて配置します。その湾曲がバナナゲートの名前の由来です。
ゲートカットは金型が開くタイミングでカットされます。サブマリンゲートのように棒状の凸を追加する必要がなく、成形部品にダイレクトにゲートを配置することができます。ただし、金型形状が湾曲しているため、加工が複雑になりコストアップになります。

2プレートと3プレート

金型は基本的にはキャビティ側とコア側の2プレートで構成されていますが、間にもう1枚入った3プレートで構成されている金型もあります。金型が開くタイミングで自動的にゲートがカットされるのが、3プレートの特徴です。
上でご紹介したゲート方法の場合、
  • 2プレート・・・サイドゲート、フィルムゲート
  • 3プレート・・・ピンゲート、サブマリンゲート、バナナゲート

に分類されます。

3プレートになると金型の構造が複雑になるため、イニシャル費(金型費)が2プレートに比べると高くなります。ただ、ゲートカットが自動的にカットされることで、ゲートをカットする工程が不要になり、量産時の工数が削減され、部品コストダウンにつながるというメリットがあります。

 

いかがでしたでしょうか。ここであげたゲートは一部ですが、実践ではよく使用されるゲートの種類です。ゲートの選定は、金型業者や成形業者によって決まることが多いですが、設計者がゲートの役割や効果を理解することで、部品設計時に予測した設計をすることができ、外観不良を防止できたり、ゲート位置が外観面に配置されない設計が可能となります。基礎的な内容ですが、今後の設計でお役立ていただければ幸いです。