よく使われる板金材料

板金加工・プレス加工ともに、様々な板金材料が使われますが、幅広い分野で多種多様に使われる代表的な板金材料についてご紹介します。

 

鉄鋼系

SPCC

最も一般的な鉄鋼系の板金材料で、冷間圧延鋼板と言います。表面処理は施されておらず、製品にそのまま使用することはなく、曲げや穴あけ加工後は塗装やめっきを施し使用されます。そうしないと表面が鉄の素地が露出しているため、錆びてしまうからです。

加工方法は、単発の曲げ加工から金型を使用したプレス加工から、絞り加工、溶接など幅広い方法が用いられ加工されます。

 

SECC

SPCCに亜鉛めっきを施した板金材料で、電気亜鉛めっき鋼板と言います。加工前の板金材料の状態で亜鉛めっきを施しているため、表面は錆びることはなく、2次処理なしで使用されることもあります。例として、OA機器の板金部品やなどがあります。ただし、穴あけ加工や切断面は、亜鉛めっきが無くなり素地が露出するため、錆びることがあります。

また、SECCに塗装などの2次処理をすることも多く、塗装を剥がれにくくする役割もSECCの亜鉛めっきにはあり、自動車部品や、家電製品の部品などにも多く使用されています。

 

SGCC

SGCCに亜鉛めっきを施した板金材料ですが、SECCとめっきの方法が異なり、SGCCは溶融亜鉛めっきが施された板金です。一般的に”トタン”と呼ばれている材料は、SGCCを指していることが多いです。SECCよりめっきの厚さが厚く、腐食に強いため、外装部品によく使用されます。

 

SPTE

SPCCにスズめっきを施した板金材料で、スズめっき鋼板と言います。一般的に”ブリキ”と呼ばれている材料がこのSPTEです。めっきの厚さにも種類があり、2.8/2.8、5.6/5.6など両面のめっき厚が均等な「等厚めっき」、5.6/2.8や8.4/5.6など表と裏でめっき厚が異なる「差厚めっき」があります。
使用用途しては、製品内部の基板のシールドカバー(妨害電波を防ぐ)として使用されることが多く、スマートホンなどにも使用されることが多いです。

 

非鉄鋼系、非金属系

A5052

アルミの板金材料として最も使用される種類です。鉄鋼材より軽いため、軽量化を生かした設計が可能となります。鉄鋼材ではできないアルマイト処理が2次処理で可能であるため、外観部分や銘版部品としてよく使用されます。また材料の柔らかさを生かして絞り加工などを施す部品にも多用されます。

 

SUS303, SUS304

ステンレスの板金材料の中だと、この2種類がよく使用されます。SUS304は機械的特性や耐食性に優れており、SUS303は耐食性は劣りますが加工性に優れています。
SUS304の方が一般的ですが、板厚が厚い材料を使用する場合で、ネジ加工などを施す場合は、被削性の良いSUS303を使用する方が加工時の不具合も少なくメリットがあります。

 

C2680, C5191, C5210

いずれも銅合金の板金材料です。C2680は黄銅、C5191はリン青銅、C5210はバネ用リン青銅と呼ばれます。曲げ・バネ性に優れていることと、電気伝導率が高いため、電池端子などの繰り返し負荷がかかる部品で使用されることが多いです。銅成分が含まれているため、めっきとの密着性も良好で、ニッケルめっきや金めっきとの相性も良いです。

端子部品に使用されることが多いため、電気自動車の内部接点部品として使用されることが増えてきており、ここ数年で材料の入手が困難な状況になってきています。

 

いかがでしたでしょうか。

板金材料のごく一部をまとめましたが、どれも一般的でよく使用されるもので、強度を要する筐体部品から、電気部分とも関係する内部部品にも使用されているものもご紹介しました。今後の設計業務での材料選定の際に、ぜひお役立てください。